domain_80's

インターネットが私の世界

GTAオンラインの思い出

を語りたくなったので書き綴ろうと思う。
98年代前後生まれでPSPとかPS2とか弄っていた男子諸君なら分かると思うが、簡単にGTAというゲームについて紹介すると
オープンワールドで車を盗んだり、一般人を銃殺したりとやりたい放題なクライムアクションゲームである。
多分やったことのある大抵の人の記憶には、チートで戦車出して暴走したり、暴動チートで遊んだりとかで留まっているはずである。
そんなゲームの最新作が今から約10年前、GTA5として発売された。
その中のゲームモードの一つとして「GTAオンライン」というものがある。
要は上記の犯罪行為をオンライン上で野良と楽しむ、といった具合のモードなのだが、
私はコレに異様にのめり込み、プレイ時間約2500時間、恐らく人生で2番目に時間を費やしたゲームになったと思う。(1番は多分ビートマニア
当然思い出も沢山あるが、これまでどこかに文として残したことは無かったので当時を懐かしみつつ振り返ってみたいと思う。

2013~2014年初頭くらい
このゲームは2013年9月とかそこらにPS3で発売されたが、当時の私はコンシューマゲーム特有の規制が嫌だからって英語が分かりもしないのに海外版を買った。

話とか半分も理解してないと思うが、ひとしきりストーリーモードを楽しんだ1か月後くらいにGTAオンラインに手を出した。

ここでGTAオンラインの基本システムを解説しておくと、各プレイヤーはjobと呼ばれるクエスト的なモードをプレイし、クリアしたらお金が貰える。
そのお金で「フリーモード」という、GTA5のバカでかいマップを好きにうろつき、ドライブや人殺しや馴れ合いでも何でも自由に楽しめるモード内で
使える車やら戦闘機やらを買い、遊ぶといった具合が基本である。(なんか今は微妙に違うらしいが)

ところが当時はゲームそのものに脆弱性が多く、瞬く間にお金を簡単に稼ぐグリッチや、果ては他人に法外なお金を押し付けるチーターが蔓延し、
文字通りの無法地帯と化した。
私はどちらかといえば悪い側の人間だったので、お金を簡単に稼ぐグリッチを実践しようと全く分からない英語のグリッチ解説動画を見様見真似で実践し、
稼いだお金で戦車や重火器を買っては何の罪もない他プレイヤーを殺したり、高級車をコテコテにカスタマイズして楽しんでいた。

当然運営側も黙って見過ごさず、都度グリッチは修正されるし、挙句1回チーター対策で丸一日メンテナンスが入りメンテが明けたら上記の「汚いお金」が
全て消えていた、といった思い出もあった。すぐに新しいグリッチが見つかってたけど。

 

2014~2015年くらいまで
上に「フリーモード」を少し解説したが、このモードはとにかくのめり込み具合が高いと感じる。

ふらっとコンビニ強盗をして金を稼ごうとしたら、いつの間にか小一時間警察とガチバトルになっていたり、入るだけで即殺対象となる軍事基地から戦闘機を盗み出そうとアレコレしたりと、気づいたら時間が経っているほどである。

特に一番時間を費やしたのがplayer kill(以下PK)だと思う。所謂PvPだが他シューターゲームのように公平性など全くなく、生身のプレイヤー相手に戦車や戦闘機で突撃して一方的な蹂躙を繰り返す、といったことも日常風景である。

なによりくだらないのが、PKを行うとUIに「3 vs 0」といった、その相手に対して何回殺したか、殺されたかといった数字が自動的に表示され、その回数をより積み重ねたい、相手に上回られたくないという想いでキルを繰り返すのである。(所謂PK合戦

こんなのが日常なので、より強い武器や乗り物を手に入れて自衛(と名ばかりの先制攻撃)をするためにお金を稼ぎまくる、といったことを繰り返していた。

当然治安のよろしくないゲームなので、ボイチャで訳の分からない叫び声やNワードの連なるDM(所謂ファンメ)も飛んでくる。

それがなんか悔しいのでこの辺りから英語をちょっとずつ勉強し始めて、拙いながら暴言を返してみたりボイチャで叫びちらしとかしてたと思う。

 

そんな世紀末みたいなゲームだが、極たま~に馴れ合いが起きることもある。
具体的には自慢のカスタマイズカーを複数人で集まって見せ合ったりしてみたり、敵意を持たずに素手やバットで殴りあってみたり、飛行機で編隊を組んで飛んでみたりとこれまた色々なことができる。そんな中で出来たフレンドと一緒にjobを行ってお金を楽しく稼いだり、レースを行ったりもできる。

特に良かったのが、GTAシリーズには「ラジオ」という様々なジャンルの音楽を詰め合わせたゲーム内の架空ラジオが恒例であるのだが、今作は特に質が良く自慢のマイカーでラジオを垂れ流しながらドライブするだけでもとても楽しかった。あまりに好きすぎて、この時期の私の音楽の趣味が80年代の洋楽に傾倒し、漁りまくってたほどである。

2014年から2015年の後述する「強盗」アップデートが来るまでは、ゲームのアップデートの頻度もそれほど高くなく、内容もちょっとした新要素や車が数台追加程度で今の視点から見るとかなり小規模であるが、この「フリーモード」の存在により、当時の私にとってGTAオンラインは正に何でもできる、「究極のゲーム」だったと言えよう。

2015年~次世代機移行まで
先述の「強盗」アップデートは、GTAオンラインの開始当初から謳われていた目玉アップデートである。今作GTA5のストーリーモードの主軸が「強盗」であり、そのクオリティが高かったことからオンラインでも同様のことができる、とかなり期待されていたが、実装されたのは2015年3月頃と約1年半の歳月がかかっている。勿論私も相当hypeしていたし、いざ実装されると、これまでと一線を期すミッション内容や報酬の量、追加車両により瞬く間に人気コンテンツになっていた。

特に、この「強盗」アップデートでは個人運用可能(=わざわざ遠い軍事基地から盗んでこなくていい)な戦闘機や防弾車、戦闘ヘリなどの武装車両が多く追加され、先述のPK合戦の規模はさらに大きくなることとなった。加えて、丁度この時期辺りにPS4でGTA5が発売されてフリーモードでの最大プレイヤー数が約2倍になったこともあり、徒党を組んでPKを行うグループも出てきていた。

丁度私もプレイ年月が重なったことでフレンドも結構な数が出来ており、グループを作ってPKや馴れ合い、強盗jobに励むこともよくあった。その中でも特に仲が良かったのが、以下の3名である。
・hakinbushくん
グループで一番わんぱく。同い年だったこともあり私のことをリンネちゃんと慕ってくれるいい奴。
・Rcamanくん
グループで一番まとも。彼も私も偶然東方好きだったのもあって頑張ってコミュニケーションしようと英語を覚えた。
・HIGHPOWERくん
グループで一番狂ってる。CoDのボイチャみたいなくそうるさい暴言を常に不特定多数にバラ巻き相手が退出するまでPKを繰り返す狂人。身内には優しい。

結構長い間この3名を主軸に色々やっていたと思う。

当時私は英語力がまだ未熟だったが、優しくしてくれる彼らのために頑張って喋れるようになろうと、ググった単語を羅列してコミュニケーションを図ったり、HIGHPOWERの暴言に合わせて汚い言葉を叫んでみたり、Rcamanに好きなキャラクターの話をしたりした。

一番ひどい思い出としては、上記3名+αで徒党を組んで、フリーモードに存在する他人を全員戦闘機や戦車で徹底的に叩きのめし、全員退出するまでやった後に身内だけで馴れ合う遊びをよくやってた。ゴミみたいけど妙に一体感を感じられて楽しかった。

一番良い思い出としては、hakinbushと交流を重ねるうちに国際郵便でお手紙をアメリカの古い紙幣をもらった事だと思う。私もお返しで手紙と彼の好きな日本の船舶が書かれたカードを送ったが、後日PS3のカメラ経由で手紙を見せてくれた時は本当に嬉しかった。

そんなことをしてる内に私も英語が出来るようになった、というかゲーム内の仕様から単語の意味を推測するという意味の分からない勉強法で慣れていったのだが、hakinbushとRcamanに「リンネくんは本当に英語上手くなってるよ」と言われた時が一番うれしかった。良い思い出である。

 

2016年中頃~現在まで
そんな中、毎日のようにプレイしていたhakinbushが突然ログインしなくなった。不審に思っていたら1週間後くらいに我々に向けてこのようなメッセージが届いた。


「hakinbushは兄との口論の末に、兄に射殺されてしまいました。皆今まで付き合ってくれてありがとう。父より」


あまりに衝撃的過ぎて、どう返せばよいか分からなかった。その後すぐにRcamanがソースの英語記事を引っ張ってくれたので、すぐに真実と分かった。

仲の良い知人の死は恐らくこれが初めてだったと思う。その日私は絶妙に高い彼のリンネちゃんという声を頭でかき回し続けていた。

別にその日がキッカケというわけでもないと思うが、この辺りから上記2名もあまりログインしなくなってきた。私も丁度受験期だったのと、他ゲーにハマり出したのもあったのでRcamanに受験頑張るよ!と伝えつつ次第にフェードしていった。

GTAオンラインそのものから大それした話になってしまっているが、この時期は確かカーディーラーとか銃器密造ビジネスが出てきて金を稼ぐメソッドが確立されてきた時期だと思う。銃器密造辺りまではフレンドが全くやらなくなってもしぶとく続けていたが、その後はほぼ記憶がない)

受験が終わった頃、2017年春にはすっかりビートマニアにハマり、交友が一気に広がったのもあってGTAオンラインは全くやらなくなってしまった。大きなアップデートが来た時にだけちょっとだけ起動してはすぐに寝かせる、の繰り返しだった。もちろん上記のフレンドらがどうなったかも知らないままだし、最後のオンライン表示はウン年以上前のままだった。


そこからはもう覚えていない。2021年ごろにPCのGTA5を購入し、modやチートで遊んだりなどもしてみたが別にのめり込んだりはせず、3カ月に1回くらい思い出したように起動したりしなかったりするレベルだった

空飛ぶバイクが便利だったり、新しい強盗やストーリーの主人公をフィーチャーしたjobも出たらしいが、殆ど手付かずである。

そして2023年、このゲームは発売10周年を迎えていた。当時の私は、GTA6が出るとしたら2017年ごろかな?と勝手に予想していたが、未だにトレイラーの一つすら出ていない。(去年リークはあったが、そもそも私は時間があまりに経ちすぎて開発してすらないと思っていたので驚いた)

寧ろ、今GTA6が出たとして今の私は楽しめるのだろうか?そんな不安を近年は抱えつつもたまにリーク情報や海外youtuberのゴシップを追ったりしてみている。

ただ、このゲームが無ければ今の自分はなかったのではと感じる所もある。このゲームをキッカケに英語が好きになって仕事もそれに関連したものに就いているだとか、新情報やグリッチを求めて海外wikiredditを漁ったりだとか、そういう探求心・ゲーマーらしさは全てこのゲームによって生まれたものだと思うと、確実に私の人生の一角を作り上げている。

RcamanやHIGHPOWERらは今どうしているだろうか?今の私の現状を知ったらきっと驚くだろうが、もはや伝える手段は途絶えてしまった。どうか元気でいてほしい。

そしてhakinbushよ、安らかに眠ってほしい。良い日々であったと思う。